飲食店の「1:5の法則」と「5:25の法則」で新規顧客の離脱を防いでリピーターを増やす施策とは
是非ご参考ください(^^)
もくじ
1:5の法則
1:5の法則とは、コンサルタント業界の第一人者と言われるフレデリック・F・ライクヘルドが提唱した「新規のお客様を獲得するには、リピーターのお客様を獲得する場合の5倍のコストがかかる」という法則です。
別の記事でも書きましたが、例えば、既にお店に来てくれたお客さんにもう一度来店してもらえるようにするためにかかるコストが1万円だったとしましょう。この場合、『1:5の法則』によるとお店に来たことがない人をお客さんとして初めて迎え入れるためにかかるコストは5万円ということになります。
なので、新規顧客を集客するより常連客を集客する方がコスパがいいという事になります。
新規顧客を獲得するまでのステップ
新規顧客を獲得するには、まず①お店を知ってもらうところから始まります。ポスティングや広告、看板やお声掛けなどでお店の存在を知ってもらったところで、次は②興味を持っていただく必要があります。興味を持っていただくためには様々な切り口、時にはクーポンなどで複数回アプローチを行ないます。そうしてお店に興味を持ってもらい、③お客様の検討を経るとようやく④来店となり、新規顧客獲得となるのです。
リピーターを獲得するまでのステップ
一方リピーターを獲得するには、既にお店を知っているお客様に対して、①お店の良さや利用するメリットをよりアピールするところから始まります。来店中のサービスを徹底することはもちろん、来店したお客様に公式SNSをフォローしてもらい新メニュー情報をお届けする・再来店クーポンをお渡しするなど、お店の価値を高めるための施策を行ないます。②お客様が「良いお店だった」「また利用したい」と思ってもらうことができれば、③再来店に繋がります。
上記のように、新規顧客の獲得は4つのステップが必要でお店の存在と魅力をアピールする必要があり時間もコストもかかります。一方、リピーターの獲得は一度興味を持って利用した事のあるお客様が対象となるため、サービスの向上など店内で完結する施策も多いため、低コストであることが分かります。
なのでコストがかかる新規顧客の獲得を狙うよりも、リピーターの獲得を狙うことの方が、お店全体の収益アップに繋がるということです。
5:25の法則
5:25の法則もコンサルタント業界の第一人者と言われるフレデリック・F・ライクヘルドが提唱しており、「リピーターが5%増えるとお店の収益は25%増加する」という法則です。
定食屋「新潟屋」は毎月、5000人が来店する人気店です。その5000人の内訳は1000人が新規のお客さん、4000人がリピーターです。20%のお客さんが毎月、いなくなってしまっている現状です。これを1日単位で考えると(25日間営業とします)、1日40人のリピーターがいなくなってしまっています。
これを「5:25の法則」でみると40人の5%である2人の店離れを防ぐことでお店の収益は25%もUPするという事になります。
このように5%削減を地道に行っていくと一年後には毎月の来客数が600人も増える計算です。1日2人の顧客離れを食い止めるだけで1年後には600人も増えることになります。
理論上では簡単に聞こえますね(^^;)
ですが、対策をするのとしないのでは大きな差が出来てきますので、新規顧客を逃さない施策が必要不可欠です。
新規顧客獲得を行なわないというわけではない
もちろん、リピーターも最初は新規のお客様なので、新規のお客様を獲得することも必要です。
ただ、この顧客減少数を抑える施策をすることで、他の層のお客様もよりよい食体験を得ることができ新規顧客数も増え、顧客減少数も自ずと5%以上の成果を出すことができるでしょう。
新規顧客の離脱を防ぎリピーターにするには
新規のお客様の離脱を防ぎ、リピーターになっていただくためには、来店中の接客や料理の工夫、退店後のフォローなどでお客様に「またこのお店に行きたい」と思っていただく必要があります。実際のお客様の来店からお帰り、そのあとのフォローまでの流れをイメージしながら考えてみましょう。
記憶に残るサービスを
リピーターになっていただくためには、お客様の中で記憶に残るお店になることが何よりも大切です。
例えば、とんかつ屋さんで料理を待っている間に行う「ゴマすり」や卓上で料理の仕上げのパフォーマンスをするチーズや大きな生ハムを切り分ける、胡椒を振るなど記憶に残るようなサービスを行うことでお客様の記憶に好印象で残るお店となることができます。
何度でも来たくなるメニュー作り
季節限定のものや週替わりメニューを取り入れるなど、一定の期間でメニューを変えることも効果的です。一度知ったお店でも、まだ知らない味・楽しみ方があるとアピールすることで、お店への興味が継続し、リピーター獲得に繋がります。数量限定のメニューも、希少性からお客様の再来店のきっかけになりやすいためおすすめです。難しく考えないで、定番のメニューに季節の何かをプラスして期間限定として出すなどの簡単な方法にすると取り入れやすいです。
ポイントカードやクーポン
多くの飲食店で実施されているポイントカードやクーポンもお客様に再来店していただけるツールになります。ポイントを貯めればドリンク1杯無料、デザートサービス、○○円割引などの特典を付けることで、ポイントを貯めるために何度も足を運んでもらえます。マス目を3~5個で貯まるカードにすると達成しやすい印象になるので有効です。クーポンは次回来店時に使える特典や週代わりで期間を設定するなどでお会計時にお渡ししておくと、再来店のきっかけになります。
口コミ投稿やコメントに返信
グルメサイトやGoogleビジネスプロフィールへの口コミ投稿やSNSへのコメントにはなるべく返信をするようにしましょう。口コミ返信はお客様との繋がりを作れるだけでなく、お客様の存在やその意見を尊重していることのアピールにもなります。実際、自分の投稿に対してお店が反応してくれていると嬉しい、お店に好感を持つ、という声も聞かれます。
SNSを活用
LINEやInstagramなどのSNSは、お客様とのつながりを作り、退店後も再来店を促す情報を届けるために欠かせないツールです。 SNSは口頭でご案内する・店内POPを置くなどすることで存在をアピールし、フォローを促しましょう。SNSにはそれぞれ特徴があるため、使い分けることで上手な宣伝が可能です。
まとめ
1:5の法則は「新しく新規顧客を1人獲得するのにかかるコストはリピーターを1人増やすためにかかる費用の5倍である」という事。5:25の法則で「リピーターが5%増えるとお店の収益は25%増加する」という事を解説してきました。